応急的な施設
応急的な施設では、長い工期を要する塗籠や、まして高価な材料を使用する白垂仕上げは望むべくもなく、またその必要もないが、適当な塗厚さえ持たせておけば、そのような土壁の方が板壁よりも機能的・経済的にはるかに有利であったはずです。
そして時代の降るとともに、土倉の流行にも刺激されて土壁の耐火性能がより認識され、やがて権威の象徴としての意匠的配慮も加わり、白墓塗籠が城郭の理想形態と考えられるようになったのでしょう。
前述の真壁を叙したと思われる『太平記』と、塗籠を描いた『安徳天皇縁起絵図』との間に想像される若干の成立年代の差は、そのような外壁リフォームの発展の時間的経過を暗示するものでしょう。